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自身のワクワクが地域課題を解決する! 茨城県北ローカルベンチャースクール 第2回は常陸太田市フィールドワーク

茨城県北ローカルベンチャースクール第2回講座は、2020年9月5日から6日の2日間、常陸太田市にてフィールドワークを行いました。集合場所は、常陸太田市郷土資料館梅津会館。昭和レトロの雰囲気漂う空間に、会話が弾む様子が見られました。

 

第2回講座のテーマ「あなたのワクワクはなんですか?」

当日は卒業生である高橋美紀さん(2017年卒)・大川貴代美さん(2018年卒)も応援に駆けつけ、共にフィールドワークに参加。グランドルールを確認後、齋藤潤一氏(一般社団法人こゆ地域づくり推進機構代表理事)から「フィールドワークを通し、チームワークやみんなで場を作っていく姿勢を高め合える2日間にすることで、空気ではなく「場」を読むことを意識してほしい」と話があり、チェックインとして「①自分のこと ②今の気持ち ③今日自分に期待すること」の3つのテーマを3人1組で話し合いました。

ワクワク×地域課題の2ゴールデン・サークル

次に、今回のフィールドワークの目的「①ワクワクを探求 ②地域課題を発見 ③ビジネスモデル構築」を全員で共有。齋藤氏より「地域ビジネスの見つけ方は自分のワクワクと地域課題を掛け合わせたところに生まれる」と説明がありました。

 

常陸太田市のいまを学ぶ

オリエンテーションとして、常陸太田市商工観光部商工振興・企画誘致課係長の佐川武士氏より常陸太田市の現状について共有していただきました。

様々な観光地、自然、食べ物など市の魅力を紹介したほか、人口減少や高齢化率の増加について触れ、「全ての政策は、人口減少対策に通ずる」という市長の言葉とともに市が進めている様々な政策を紹介しました。中には市内で起業する方を対象とした手厚い支援も存在し、受講生からは驚きの声が上がりました。

その後、地元鯨ヶ丘商店会会長の渡邉氏よりこれから街歩きを行う商店街について、「コミュニティ再生に注力して商店会形成を進めてきました。目に見えるもの・目に見えないものを感じながら街を見て来てほしい」とエールをいただきました。

鯨ヶ丘商店街を歩く

鯨ヶ丘商店街は、常陸太田市の高台に広がる昭和の店蔵が多く残るエリア。受講生は二手に分かれ、それぞれ商店会の杉森さん、大貫さんに案内していただきながら街歩きを楽しみました。

街歩きの最終地点は商店街内に店を構える「釜平」にて、人気商品であるソースカツ丼のランチを食べながら、街歩きの感想や、受講生と卒業生の情報交流などが各々に行われました。

その後は、郷土資料館に戻って街歩きのフィードバック。3人1組でそれぞれに意見を出し合い、全体共有では中央通りを利用して100M走大会をしたら面白いのではないか、ウーバーイーツの導入、駐車場に対する課題など、様々な意見をみんなで共有しました。

 

歴史に触れ、その街を知る

西山荘は、水戸黄門で知られる徳川光圀公が晩年を過ごした隠居所です。ここでは自由散策の時間が設けられ、各々が広い敷地を自由に歩き回り、案内板に視線を落としたりしていました。

 

農家だからと信用が得られず落胆した経験をバネに。誰もやらないようなことをどんどんやる

受講生たちが次に向かったのは、1959年より代々ブドウ作りに向き合って来た武藤観光農園。話を伺った武藤豊さんは、様々な新しいモデルケースを常に模索しながら、現在50アール(約5000m2)のブドウ畑を管理しているそうです。

元々機械好きで、好奇心の旺盛な武藤さんは、自分でできるものは自分で作り、誰もやらないようなことをやるととても楽しそうな笑顔で話します。苦労した点についての質問に対しては、「事業継承したばかりの頃、お金が借りられなかったこと。農家の信用の無さに落胆しました。そこから全部自己資金で事業を拡げ、現在では信用を得られるようになりました」と教えてくれました。

参加者全員にブドウの試食を用意していただき、ブドウの味を堪能しながら貴重な話を伺う贅沢な体験。中には1房5000円の値が付いているブドウまであり、濃厚な味に全員が驚きました。

ここでは2017年卒業生でもある山口景司さんも合流。山口さんは現在武藤さんの畑の一角でワイン用のブドウ栽培に取り組んでおり、新規事業を始めるに至った経緯や思いを語ってくれました。

 

WHYを発見する

その後は宿泊場所である、廃校をリノベーションしたかなさ笑楽校にてワークショップを行い、各自ワクワクの棚卸しをしました。過去・現在の棚卸しと人生のターニングポイントをそれぞれ書き出した後は、2人1組のストーリーテリングで内容を共有し、サイモン・シネックの提唱する自身の“WHY”を見つける作業を進めました。

1日の振り返りとなったチェックアウトでは、他世代の人と家族にも話せないことを話せて良かった、自分でかけていたブレーキに気づけた、価値観を共有することでこの場にいていいんだという安心感が得られた等、清々しい表情で熱く語る受講生たちの姿が印象的でした。

 

2日目はデザインシンキング。地域課題とワクワクを実際に結びつける

朝は校庭でのチェックインからスタート。大きく広がった円の中心に向かい「今日期待すること」をそれぞれ宣言し、2日目をスタートさせました。

この日のワークショップはビジネスプランの構築。連想ゲーム「マジカルバナナ」でウォーミングアップをした後、ブレインストーミングで地域課題の洗い出しを行いました。たくさん出た課題の中からさらに自身の言葉で課題を落とし込み、深掘りを行なった後、各自ビジネスプランを考えました。

ワークショップの最後は、10人の受講生が全員の前で自身のビジネスプランを発表。最終プレゼンに向けて齋藤氏から一人ひとりフィードバックをもらいました。

研修後はそれぞれがモヤモヤと感謝の気持ちを振り返り、この仲間に出会えたことや自分らしく過ごせた2日間への感謝、最後プレゼンに挑まなかったことへの悔しさなどが語られました。

次回はブランディング・マーケティングを学ぶ第3回講座。

今後の成長も楽しみです。

 

ライター・撮影 : 宮地 綾希子

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