ADDress佐別当氏も登壇。茨城県の地域おこし協力隊イベントを開催

茨城県は、日立市と大子町に地域おこし協力隊を募集するために茨城県北ローカルベンチャーラボを作りました。移住前の勉強会を9月6日(木)にいいオフィス in 上野で行い、参加者は50名程度集まりました。

NOP法人まちづくりGIFT代表理事の齋藤潤一さんは稼げる人材づくりのため茨城県北ローカルベンチャースクールを4年ほど継続されており、すでに茨城県北地域には起業家コミュニティもできています。代表を務める宮崎県新富町の一般財団法人こゆ地域づくり推進機構(通称:こゆ財団)は、地域おこし協力隊制度を活用した起業家支援で、政府からも評価をされています。

茨城県北の地域おこし協力隊では、月額166,000円と家賃と起業に関する活動支援金が3年間出ます。場所は日立市と大子町です。勉強会・1泊2日の現地視察や現地でのネットワーキングなど、お金を稼げるようになるところまでサポートします。

茨城県・日立市・大子町の担当者からのPR

まず茨城県庁から、人口減少や少子高齢化など今回茨城県北地域の地域おこし協力隊を募集することになった背景が説明されました。

 

日立市は、日立製作所発祥の地ですが、世界的建築家である妹島和世さんの出身地で、桜でも有名です。中国や台湾をはじめとして、外国から多くの人に日立市を訪問してほしいです。市政80周年の今年に、地域おこし協力隊の皆さんと一緒に変えるきっかけをつくれたらとお話しされました。

 

大子町は袋田の滝やリンゴで有名です。人口1万7千人で県内3番目の街で、高齢化率44パーセントです。袋田の滝など観光資源が多くあり、面積の8割が山で占められています。特産品で美味しい食べ物もあります。地域資源の活用方法として、豊かな自然を生かして健康やメンタル面での森林を利用することもできます。

 

いよいよゲストによるセッションへ

今回のイベントのセッションは、地域プロデューサーとして茨城で活動する際に生かすための、空き家再生やコンテンツ作りの勉強会として位置づけられていました。ゲストが参加者に伝えたメッセージを、ゲストごとにみていきます。

茨城でできる空き家再生術とは

株式会社アドレス 代表取締役社長・一般社団法人シェアリングエコノミー協会 常任理事でコリビングやシェアリングエコノミーを日本全国に広げている佐別当隆志(さべっとうたかし)さん。 ADDress:https://address.love/

ADDressというサービスは、月4万円払うと全国25拠点(今年の年末には50か所くらいになる予定)を使い放題の多拠点コリビングサービスをやっています。コリビングサービスとは、シェアハウス+シェアオフィスを融合したものです。

3年半前にシェアリングエコノミー協会を立ち上げて、国のアドバイザーを務め、地方自治体にも広める活動をされています。地方の少子高齢化や空き家の問題解決のため、シェアを活用した使った街づくりを自治体として行うシェアリングシティという取り組みもしています。空き家再生術として、ADDressの拠点となっていただく方法がありますと佐別当さん。

空き家を探してリノベーションし、ADDress の拠点になると、その管理をする家守(やもり)となって地域の方とのコミュニティを作り交流を深めることができます。二拠点生活する場所の一つとして、「そこに行ったらあの人がいる。あの人に会える」というような場を茨城でつくりたいと佐別当さんは考えているそうです。

体験型コンテンツでビジネスはつくられる

旅するおむすび屋として、食を通じて人と人、地域と地域をつなげる菅本香菜(すがもとかな)さん。地方に行き、その地域の食材を使っておむすびをつくります。また自治体の方と組んで、その地域の食材を持って東京や関西の方に広めています。総務省の地域力創造アドバイザーもつとめられています。

菅本さんは大子町の自然や食材の豊かさを活かした体験型コンテンツのアイデアを出されました。コシヒカリを湧き水で炊いて、地元の食材でおかずをつくり、滝が見える森の中にテーブルを広げ、地元の日本酒で乾杯する。こんなツアーが紅葉の時期にできたら最高だとお話しされました。

地元に溶け込む努力の大切さ

CANVAS合同会社 代表社員で水戸市や日立市で地域活性化に取り組んでいる建築士の加藤雅史(かとうまさし)さん。茨城県北ローカルベンチャースクールでは多くの賞をとって卒業されました。

2級建築士であることがコンプレックスで、何かをやりたいという気持ちから地域活性化に取り組み始めたという加藤さん。クラウドファンディング、商店街の活性化やゲストハウスの経営をされています。

水戸出身の加藤さんは、日立に引っ越し後に水戸の商店街の活性化のために水戸に戻ると「日立から来たよそ者扱い」をされて、とまどったものの、商店街にとけこむために地道な努力をして乗り越えてきたことを話されました。

裏切らずに応援し続けてくれる人達のおかげでチャレンジできる

大学卒業後、3年前に日立市にUターンして「ただいま コーヒー」を開業し、今回の事業のコーディネーターをつとめる和田昴憲(わだたかのり)さん。地元に貢献したい。忙しい中でも家族との時間を大切にしたいという気持ちから起業したそうです。

起業前の半年程、日立でお世話になっている経営者のところで働かせてもらったおかげで暮らしの最低限は確保できて、チャレンジのためのベースがつくられたとのこと。

起業後も頑張れているのは、自分が何しても裏切らずに応援し続けてくれる家族や地元の方達らチャレンジを応援してくれる人達のおかげですと話されました。

セッションの終わりには、茨城県公認人気Vtuberの茨ひよりちゃんと一緒に全体写真を撮り、懇親会にうつりました。

懇親会

懇親会は和気あいあいとした雰囲気で、登壇者や自治体の担当者の方に質問する参加者が列をつくるなど、盛会のうちにイベントは終了しました。

 

茨城県では、茨城県北の日立市や大子町で活動するローカルベンチャーラボ地域プロデューサーを10月31日まで募集中しております。ぜひ、ご興味のある方は下記からお申込みください。

http://www.pref.ibaraki.jp/kikaku/kenpokusinkou/chiiki/creative/localbentya-laboproducer.html

 

文:宮崎恵美子

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