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事業を加速し持続可能なモデルに成長させる。 茨城県北ビジネススクール 2021 フォローアップ講座第1回目 投資されるための新規事業に必要なビジネス戦略を学ぶ!

茨城県の県北地域から起業家を創出する目的として始まった「茨城県北ローカルベンチャースクール」は、昨年までの3年間で、県北地域を舞台に起業家人材を育成・支援するプログラムとして実績を生んできました。今年度は、より規模の拡大や事業の加速などを目指し、ビジネスを学ぶためのプログラム「茨城県北ビジネススクール」にパワーアップ。

今年度の受講生に留まらず、過去の卒業生も対象となるフォローアップ講座の今年度第1回目が、2021年9月5日(日)、茨城県三の丸庁舎にて開催されました。

 

ゲスト:

起業家・投資家・経営者

麻生 要一

筑波大学付属駒場中高、東京大学経済学部卒業。株式会社リクルート(現リクルートホールディングス)に入社後、ファウンダー兼社長としてIT事業子会社(株式会社ニジボックス)を立ち上げ、経営者としてゼロから150人規模まで事業を拡大後、ヘッドクオーターにおけるインキュベーション部門を統括。社内事業開発プログラム「Recruit Ventures」及び、スタートアップ企業支援プログラム「TECH LAB PAAK」を立ち上げ、新規事業統括エグゼクティブとして約1500の社内プロジェクト及び約300社のベンチャー企業・スタートアップ企業のインキュベーションを支援した経験を経て、自らフルリスクを取る起業家へと転身。同時多発的に創業。20182月に企業内インキュベーションプラットフォームを手がける株式会社アルファドライブを創業し、201911月にユーザベースグループ入り(発行済全株式を売却)。20184月に医療レベルのゲノム・DNA解析の提供を行う株式会社ゲノムクリニックを共同創業。20186月より「UB VENTURES」ベンチャー・パートナーへ就任しベンチャーキャピタリスト業を開始。20189月に株式会社ニューズピックスにて非常勤執行役員に就任し、企業内起業家としてNewsPicks for Businessの事業開発を管掌。著書に「新規事業の実践論(NewsPicks Publishing)」。

 

まずは3人1組によるチェックインからスタート。久しぶりに顔を合わせる参加者が多く、受講年度を超えて交流が生まれる部分もこのスクールの魅力のひとつです。

グランドルールの共有後、ゲストである麻生氏の自己紹介、齋藤潤一氏(AGRIST株式会社 代表取締役社長)と麻生氏によるトークセッション、参加者によるピッチ(3分プレゼン)という流れで進行しました。

 

新しい価値の創造をし続ける

起業家・投資家・経営者という肩書きを持つ麻生氏。リクルートにて最年少経営幹部として新規事業開発室長を務め、1500もの新規事業の立ち上げに貢献。日本で一番新規事業を作ったと言って間違いないでしょう。現在は、「やりたいことが一個に絞れない」と、同時多発的に創業。いろんなところで新しい価値の創造(事業開発)をし続けています。

「いろんな立場を同時進行し、特定の立場に偏らずに、超本質的な起業論を展開したい。」と話す麻生氏。現在は、「一番応援を得ることが難しい超創業期を助けたい!」とこの時期の支援に特化した「ゼロからの起業」というプロジェクトも展開しています。

また、地域創生にも注力しており、特にリクルート時代から関わっていた高知県での取り組みを紹介。「限界集落において人口と産業をどうやって維持していくか」というテーマに挑んでいることや、起業を視野に入れている人がほぼいないという地域での学生向け人財育成プログラムRyomafrogs立ち上げなど、ものすごいスピードと行動量で課題解決に向けて実践していることに、受講生は圧倒されるばかりでした。

 

課題は当事者の話を聞いて徹底的に深掘りをする

麻生氏と齋藤氏のトークセッションは、オフラインということもありオフレコトークも交えながら展開。多くの事業を同時進行でこなす麻生氏に、1事業に集中しなさいと言われないかという問いに対しては「ゼロイチの時期は普段は組み合わさることがないものを同時にやることが大半で、それが価値でもある。やるときは、1つ1つを全力で行なっている人と同じ熱量でやる。」と回答。齋藤氏も、「相互の事業成長につながるかどうか。お互いにメリットがあれば納得してくれる。」と会話を続けます。経営陣とスタッフとの危機感の温度差に関して齋藤氏が相談をすると、「手法としては2つ。トップである自分自身が異次元へと進み続けるか、スタッフ同士で競争させるか。」と麻生氏は答えます。「自己破壊できるかどうか。」もキーポイントだそうです。

辛いと感じたとき、モチベーションを今一度上げていくにはどうすればいいかという受講生からの質問では、「WHYの設定が充分にできていないのではないか。起業家にとって、これをやることが自分の人生なんだというテーマ設定が最も重要。手段で起業すると楽しくないし、うまくいかない。」とアドバイス。

課題の見つけ方・手段の見つけ方に関しては、「たくさんの困りごとが集まりやすい環境に身を置いている。解決法の探り方としては、見つけた困りごとを持った人の話を聞いて深掘りしていく。社内起業家には顧客の声を300回聞きに行けと言うし、起業家にはヒアリングではなく未来を描いた企画書を持ってセールスに行け、と言う。」と話しました。どんな企画書であれば実際に購入者が現れるのか、実践を通して知るというこの方法には齋藤氏も大きく頷きます。

その後の「どうやって同じ熱量の仲間を捕まえれば良いか。」と言う質問に対しても、「あらゆる手段であらゆる行動をする。」という回答が。圧倒的に行動量が違うことを感じさせられます。

異次元に行くと地方では煙たがられるのではないか・・・という声には、「全国どこでもそれは起きる。自分はひたすら対話し、理解してもらい、行動する。踏み込んでその地域に入り込む。」と、実体験と共に紹介しました。

最後に、事前に挙手した4名によるピッチ(3分プレゼン)。それぞれに麻生氏からフィードバックをいただき、第1回フォローアップ講座は幕を閉じました。

講座が終わっても麻生氏の周りには長時間にわたって人だかりができるほど、多くの参加者がその想いや行動量に魅了された今回の講座。麻生氏には、「茨城に縁も想いも強く感じているので、これからも共に頑張り続けましょう。」というあたたかいメッセージをいただきました。

茨城県北地域でも多くの新規事業が歩み出すことができるよう、茨城県北ビジネススクールはこれからも地域の未来を担う起業家を応援し続けます。

 

ライター・撮影:宮地 綾希子

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