あなたのビジネスを加速させる! 茨城県北ビジネススクール プレ講座③ ―成功する地方起業。地方創生スタートアップはいまこそチャンス!ー
毎年、魅力的なローカルベンチャーを輩出し続ける起業家育成講座。
昨年までの茨城県北ローカルベンチャースクールが、今年から茨城県北ビジネススクールと名称を変え、よりビジネスを加速させ茨城県北を活性化させるべく、内容も講座数もバージョンアップします。
エントリー〆切が迫る2021年7月16日(金)、第3回目となるプレ講座は、都内の緊急事態宣言発令により完全オンラインにて開催されました。同時にFacebookでもLIVE配信が行われ、zoom参加者22人・LIVE視聴は14人が参加。地方創生や当講座に興味を持つたくさんの人がゲストの話に耳を傾けました。
初めに、主催である茨城県県北振興局より県北地域の現状と課題を紹介。県北振興チャレンジプランに触れ、これまでの取り組みや成果を説明しつつ、新たな挑戦者となりうる参加者へエールを送りました。
次にこのビジネススクールの総合プロデューサーである齋藤潤一氏(一般財団法人こゆ地域づくり推進機構代表理事・NPO法人まちづくりGIFT代表理事・AGRIST株式会社代表取締役社長)から、スクールの概要を説明。
卒業生等による起業家コミュニティへの参加・同じ熱量のある仲間と切磋琢磨して学べる環境・投資家などとのネットワークにより資金調達ができる環境・メンター制度によるバックアップ体制などの多くのメリットを紹介。
講師との距離の近さや過去の受講生の成長スピードなど、具体例をあげて説明しました。
エントリー受付終了前、最後のプレ講座を飾るゲストは以下の3名です。(敬称略)
SEVEN Founder
山本 敏行
昭和54年3月21日、大阪府寝屋川市生まれ。中央大学商学部在学中の2000年、 留学先のロサンゼルスでEC studio(2012年にChatWork株式会社に社名変更)を創業。 「自分がいなくてもうまくいく仕組み」、「日本でいちばん社員満足度が高い会社の非常識な働き方」 を出版し、いずれの著書もアマゾン売上総合ランキング1位を獲得。 2012年に米国法人をシリコンバレーに設立し、自身も移住して5年間経営した後に帰国。2018年Chatwork株式会社のCEOを共同創業者の弟に譲り、翌2019年東証マザーズへ 550億円超の時価総額で上場。 現在はベテラン経営者で構成されるエンジェル投資家コミュニティ「SEVEN」に注力している。[HP]
一般財団法人こゆ地域づくり推進機構 代表理事
NPO法人まちづくりGIFT 代表理事
AGRIST株式会社 代表取締役社長
齋藤潤一
米国シリコンバレーの音楽配信会社でクリエイティブディレクターとして従事。帰国後、2011年の東日本大震災を機に「ソーシャルビジネスで地域課題を解決する」を使命に全国各地の地方自治体と連携して地域プロジェクトを創出。これらの実績が評価され、2017年4月新富町役場が設立した地域商社「こゆ財団」の代表理事に就任。1粒1000円ライチの開発やふるさと納税で寄付金を累計50億円以上集める。移住者や起業家が集まる街になり、2018年12月国の地方創生の優良事例に選定される。農業の人手不足の課題を解決するために、農業の自動収穫ロボットAGRIST株式会社を2019年設立。2021年までに国内10以上のビジネスプランコンテストで受賞。メディア掲載:テレビ東京「ガイアの夜明け」、NHK WORLD世界17か国で放送、日経MJ(1面全面)、ワールドビジネスサテライト、他多数。MBA(経営学修士)スタンフォード大学Innovation Master Series修了。[note]
TURNSプロデューサー
株式会社会社第一プログレス代表取締役社長
総務省地域力創造アドバイザー
TOKYO FM「SkyrocketCompany スカロケ移住推進部」 「デュアルでルルル♪」ゲストコメンテーター
堀口正裕
国土交通省、農林水産省等での地方創生に関連する各委員を務める他、地域活性事例に関する講演、テレビ・ラジオ出演多数、全国各自治体の移住施策に関わる。東日本大震災後、豊かな生き方の選択肢を多くの若者に知って欲しいとの思いから「TURNS」を企画、創刊。地方の魅力は勿論、地方で働く、暮らす、関わり続ける為のヒントを発信している。
トークセッションは堀口氏がファシリテーターとして参加。堀口氏のプロデュースする地方創生雑誌「TURNS」のタイトルに込められた“It’s my turn.(私の番です)”のように、自身で一歩踏み出すためのキーワードが散りばめられたトークセッションとなりました。
地方はチャンス!
地方がチャンスである理由について、「新型コロナウイルス拡大の影響によりリモートワークが進み、東京にいる意味が無くなった」と山本氏は言います。現在も、多拠点生活を実践しているそうです。齋藤氏は、「デジタル化において、都内ではパイの奪い合いだが地方ではブルーオーシャン。デジタル化の進行が遅い一次産業は特にチャンス。」と話します。その上で「一歩踏み出しやすくなっている。」とのこと。茨城県内には公的機関や先輩起業家によるサポートや受け皿があるということも踏み出すための重要な要素だと話しました。
山本氏は、現在YouTubeで起業家向けチャンネルを運営したり、秋に著書「投資家と起業家」(https://www.amazon.co.jp/dp/4295405965/)を出版するなど、積極的に情報発信をしています。そんな山本氏の元には起業家から相談やDM問い合わせが複数あるそうで、魅力的な人材が全国に埋もれていると実感するそうです。そういった人材とのコンタクトが、昨今のテクノロジーの加速により気軽になったと話します。
ビジネスプランを具現化するのは“人“。
どういった事業に投資したいと考えるのかという問いに、「事業内容ではなく、人として魅力的かどうか。」と率直に語る山本氏。「アイデアが変わっていくことはあるが、ビジネスプランを具現化するのは人で、やり切るかどうかといったインテグリティを見ている。」と齋藤氏も続けます。
参加者の「10年後も持続可能なビジネスをするにはどうしたらいいか。」という質問については、山本氏は「事業の継続時間よりもビジネスに命をかけられるかどうか。」とし、齋藤氏も「ビジネスの形は変わってもいい。大事なことは顧客のペインを解決できるかどうかであり、“自身の解決したい課題は何か?”ということ。」と話しました。“人” と “想い“ 。この2つがとても重要なキーワードのような気がします。
また、新規ビジネスを始めるに当たって、立ちはだかる様々な壁についての相談には、お2人とも「壁は飛び越えるためにある。」「目指すゴールがあるのなら登頂ルートは無限にある。」と答えました。壁は悪いものとして捉えがちですが、お2人の話を聞いているとそうではないようです。壁はあって当然。どう攻略するのか、スピーディに選択して進むことが大事とのことです。
さらに堀口氏から「稼いでいる人の共通点」についてお題が上がると、「スキル等などではなく、困難に当たった時に船の碇のような役割を果たす強い思いがある人」という山本氏。碇がまだ明確でなく迷っている人に対しては「熱病は感染する」という言葉を例に上げ、何か一歩踏み出したいと考えている人は熱量の高い人たちの中に入り、感染できる環境に身を置くといいのではと話しました。
逆に失敗しやすい人の共通点は「レスポンスの遅い人」や「カタチから入る人(法人化しなければ・・・)」とのこと。顧客のペインを明確に持っていない・なぜやるのかが明確でない人は成功することは難しいようです。自分の向き不向きを知り、自分の心に嘘をつかないことが大切だと言います。
悩んだ時は成長ポイント!
「ビジネスは手段であり、基礎を知らず思い先行で突っ走ってしまってもうまくいかない。」という齋藤氏と、一方で「リアルなゲームのようで、攻略を楽しむ。最後は楽しんだもん勝ち。」という山本氏。無理をし過ぎてバランスを崩しかねないこともあります。山本氏は困難に直面した時に「自分に乗り越えられない問題は自分の前に現れない。現れる問題が大きいほど自分は成長したんだと感じる。悩んでいる時は成長ポイント。」とポジティブに捉えるそうです。“楽観的” や “ポジティブ変換“ は伸びていく起業家のキーワードのようです。
世界中が大転換期を迎えている現在。3人はこれまでにない大チャンスだと言います。首都圏が身動きを取りにくくなり、インターネットにより距離がオールフラットになった今では、同じスタートラインで勝負でき、リモートで出会いの機会が早まりました。この大変化中、アフターコロナを見据えた事業に投資家も注目しているようです。
「特に地方の第一次産業はチャンス。」と語る齋藤氏。茨城県北地域も農業を始め林業・漁業など、たくさんの一次産業が盛んですが、齋藤氏は「県北の魅力は県庁に本気度の高い職員が多いこと。人を繋ぐHUBとしての機能も積極的に行なっていて、熱量の高い人が多い。」とチャレンジや成長しやすい環境も大事だと交えながら説明しました。
暗いニュースが多い昨今では、収益を出すことを悪と感じられてしまいがちなこともありますが、地域に貢献できることが明確に打ち出せれば、それは共感に変わります。飛び込むことはノーリスク。一歩踏み出した日を数年後に振り返って喜びを分かち合えるよう、まずはチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
本講座の最終回は公開のビジネスプラン発表会
茨城県北ビジネススクール2021は7月31日(土)より本講座がスタート。
今年もたくさんの応募者の中から熱量の高い受講生達がビジネスと本気で向き合います。
全7回の講座の結びはビジネスプラン発表会。チャレンジと成長は今後も毎回追ってお知らせしていきますので、最後までお見逃しなく!
茨城県北ビジネススクール2021
https://ibaraki-kenpoku.com/?page_id=72997
ライター・撮影:宮地 綾希子