自身のワクワクが地域課題を解決する! 茨城県北ローカルベンチャースクール 最終プレゼンテーション
8月から始まり、水戸市・常陸太田市・日立市・常陸大宮市と、様々な地域で自分のワクワクと向き合ってきた茨城県北ローカルベンチャースクール。
2020年11月14日(土)は、茨城県庁25階展望ロビーにて「ソトコト」編集長である指出一正氏を特別審査員に迎え、ビジネスプレゼンテーションが行われました。
当日は、最初に茨城県政策企画部長である玉川明氏より挨拶があり、「地域活性にはぜひ外側の目で取り組んで欲しい」という知事の言葉を紹介し、「県内外に関わらずこのスクールを通して地域に新しい風を取り込んで欲しい」と話したのち、卒業生がこの場に審査員として参加し、人材づくりの循環ができていることの喜びを語りました。
当スクールは、「チャレンジするコミュニティをつくろう」という目的で始まり、数年に渡り起業家やチャレンジする層を輩出してきました。始めに主任講師であるNPO法人まちづくりGIFT代表理事 齋藤潤一氏よりスクールの内容を紹介したのち、昨年優秀賞を受賞し、その後地域おこし協力隊として活動する増田大和氏が、自身のこれまでの活動を紹介し、発表者の緊張を和らげました。
その後は指出氏(写真右)と齋藤氏(写真左)による特別講演会。
地方で起業するために大切なこととして、好きなことが真ん中にあるビジネスが増えていることを示唆し、「好きなことであれば何年経っても色褪せず続けることができる、好きなことしか続かない」と事例を交えつつお話しました。また、若い人々が挑戦する場をつくることが大切なことや複数の顔を持つポートフォリオワークを紹介し、登壇者だけでなく傍聴者も今回のプレゼンが複業を検討するいいきっかけになればと語りました。
さらにSDGsにも触れ、「世の中が“いかに稼げるか”から“面白いことをどうみんなで育てるか”に変わった。世界みんなの目標であるSDGsを地域でローカライズして取り組んで欲しい」と話し、この後発表を控える受講生達には「ありのまま・自分のあり方が起業家の重要なポイント。等身大の自分でプレゼンして欲しい。ここで自分の夢を語ってくれたという事実が大きな財産になる」と優しいエールが送られました。
そして15名の受講生によるビジネスプレゼンテーション発表。
審査員は「ソトコト」編集長 指出一正氏、株式会社ただいま代表取締役 和田昂憲氏、minimume代表 高橋美紀氏、茨城県政策企画部長 玉川明氏の4人。
最優秀賞「楽しみながら森つくり」 井出 光弘
手付かずの人工林を活用し、林業や木工技術研修ができるスクールを運営
受賞を受けてー
自分が何かをやるというプランを当初持っていたが、このスクールを通してその視点を外すことができた。自分だけではやれることが限られるが、みんなでやることでより良い地球を作るために頑張っていきたい。
優秀賞「banya base」 阿部 深雪
住居としての役割を果たした家に場所を貸し出し、新たな役割を作るプロジェクト
地域活性化賞「結~yui~ふるさとのお祭り応援ファンクラブ 」 星野 由季菜
継承が危ぶまれる伝統的な祭りのファンクラブ運営や特産物の販売
(以下発表順)
「ライフライブラリーOTONA 」 小林 信彦
シニアの方たちの人生の節目の時に、人生を振り返るギフトを10,000円で販売
「Sauna House Club 」 川嶋 敏克
アウトドア好きの人たちに、テントサウナの出張サービスを5万円で1日1組に販売
「12-jiyuni-」 小松 千尋
茨城県内の起業家とともに探究する、スタディーツアーの企画や販売
「間伐材を使った大人版木育の推進事業~大人も子ども、もくもく木育~」 浅田 寛喜
間伐材を使った、大人版木育の推進事業と森林整備による林業の発展
「Asonbo-Labo」 村崎 理恵
子ども達に遊びを通して楽しく学べるプログラムを1回1,800円から販売
「地域に眠る魅力ある農業を100年先へ」 川島 拓
椎茸農家を継承し、商品開発などを通し持続可能な経営
「IBARAKI Food Story Labo」 西野 美智
茨城県内の生産者さんと共に 食の大切さを伝えるコミュニティーイベントを販売
「貴方の思い、くじらとともに届けましょう」 茅根 隼人
くじら焼きの「くじら屋」を再オープンし、チャレンジしたい人に場所を1,000円で販売
「Teenが創る未来に向けたクローゼット」 花塚 来実
低価格な洋服レンタルで、TEEN世代がSDGsに取り組むきっかけを提供
「KENPOKU QUEST」 山崎 健
スマホを活用し、タイムスリップした鯨ヶ丘商店街を楽しむ謎解きゲームサービス
「Beture」 鵜久森 晃央
ビールに興味がある若者やお酒を楽しむ中高年を対象に、クラフトビールイベント企画運営
「茨城の美味しいものを印刷の力でもっと美味しくハッピーに。」 佐藤 亮太
美味しい農作物をより多くの人に届けたい農家を対象とした販促支援サービス
審査員からは、「全て実現可能性が高いと感じました。」「1人ではできなくてもチームではできることがたくさんあります。先輩・仲間との繋がりに、県北の未来への希望を感じたので、一緒に未来を作っていきたい」と講評がありました。
今後は卒業生として、当スクールでの経験を活かして県北地域を盛り上げていっていただくことを期待します。
これからの皆さんの活躍も、ずっと応援していきます。
撮影&ライター:宮地 綾希子