ソトコト編集長 指出一正氏 地域の活動を増やす「関係人口」とは?

PR for 茨城県北地域ビジネス創出支援講座

課題が山積する地域を活性化しようという試みが、日本各地で始まっています。

住民参加で地域の未来を考える未来会議という会や、ローカルベンチャーと呼ばれる地域で新しい仕事を作り出す事例も生まれています。

茨城県北地域で始まるビジネス講座

茨城県北地域を舞台に始まったのが、「地域課題をビジネスで解決しよう」という、茨城県北地域ビジネス創出支援講座です。県北地域の課題を解決するビジネスアイデアを作り、実行する講座で、県内から30名以上が参加しています。

社会気分を言語化するのが責務

第1回目の講座のゲスト講師として招かれたのは、月刊ソトコト編集長の指出一正さんです。

「社会気分を言語化するのが自分の責務」と語る指出さんは、編集長という仕事と共に、全国を巡り、自分が見てきた地域の生の様子を伝えるという活動を続けていらっしゃいます。

そんな指出さんが重要だと語る「関係人口」。地域の活動を盛り上げるカギになると語り、地域課題を解決するビジネス(=ソーシャルビジネス)にとっても重要な存在です。

観光以上、定住未満が「関係人口」

受講生が真剣に耳を傾ける

関係人口は、端的にいえば「観光以上・定住未満」という人々を指します。地域に住民票を移しているわけではないけれど、何かしら地域と関わっている方々です。

移住やUターンを増やすことは理想だけれど、ハードルが高い。

その中で注目されているのが、関係人口という考え方です。

これからどんどん人口が減っていく中で、この関係人口が地域を面白くしていってくれる、ひとつのコアになるのではないかという期待があります。

関係人口の先駆地域・島根県

関係人口に一番最初に注目したのは、島根県です。島根県は、1992年から人口減が止まらず、それゆえどこよりも先に、移住・定住の施策が進んでいきました。

でも彼らは気付いたんです。人口が減少していく社会の中で、少ない移住人口というパイを奪い合っている場合ではないということに。そこで、移住しなくても良いから、首都圏で島根のことを応援してくれる人々を増やすということを実施します。

そこで始まったのが、首都圏で開催される「しまコトアカデミー」という連続講座です。地域を学び、実際に出掛けて、自分のかかわり方を見つけるというものです。

講座を通じて80名卒業しました。その内20名がU・Iターンして、その9割が起業、または地域に関わる仕事に就いています。お年寄りのための音楽療法、休耕田を金魚の養殖場に変える事業など、内容も多彩です。

島根はこうやって、関係人口が活動人口に変わっていってるんです。

関係人口が増える「関わりしろ」がある地域

ディスカッションもしながら講座は進む

関係人口という言葉があらわすように、いま時代は関係を大事にするようになったと指出さんは言います。

お金を使って贅沢な暮らしをするのではなく、お金を使って関係性を買うことで、どこかに属したり、どこかの仲間になるというインタラクティブな関係性に価値を感じるようになっているのです。

どういうところと関わりたいと思うか、それは「関わりしろ」があるところだとぼくは呼んでいます。関わりしろのある場所とは、ツルツルピカピカではない行政府であったり、町や場所のことです。

指出さんが言う「関わりしろ」とは、自分から関われる余地がある場所ということができます。例えば、完璧に作られているのではなく、これからできる場所。その余白が、関係をつくっていきます。

ここだったら自分が関われるかもしれないなと思った人が関係人口として入ってくる。関わりしろがあるところが、人が絶えない場所となります。

地域の活動が増える小さくてたくさんのチャンス

指出さんが語る地域のリアルタイムの様子は、地域がチャンスに溢れていることを伝えています。

大手チェーン店が撤退するというのは、フランチャイズのお店はもちこたえられないというわけです。これは安全性を担保している経営の体制だから、撤退という判断をしているんです。

大手が撤退しているからこそ、100万円の資金で若い人たちが新しいビジネスをやりやすくなっている。地方都市の方がチャンスに溢れています。

茨城県北地域ビジネス創出支援講座のコンセプトも、「スモール イズ ビューティフル」を掲げています。「小さくても美しい、地域を持続可能にするビジネスを作る」というビジョンに向けて、講座は進んでいきます。

課題が多いと言われる地域は、小さなチャンスに溢れている。

この確信のもと、茨城県北地域ビジネス創出支援講座は船出しました。

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