空き家問題・少子高齢化問題をDIYで解決 –加藤雅史さん-茨城県日立市
近年、地震・豪雨などの自然災害が全国各地で頻繁に起こっている。
建物という観点から、このような自然災害による被害を受けた地域が復興する上で、何が必要かと考える建築士が茨城県の県北エリアにいる。
個人で建築設計事務所を営みながら、地域コミュティづくりの重要性を掲げ、空き家問題・少子高齢化問題をDIYで解決しようと、2017年に「建築楽団」という新たなプロジェクトを立ち上げた加藤雅史さんにお話を伺った。
空き家問題・少子高齢化問題をDIYで解決
加藤さんは、水戸出身の40歳。専門学校卒業後に住宅現場監督として1年勤めた後、3年間フリーターになり、ギター3曲だけ覚えて四国一周の旅までしたという。その後、会社員として13年間働き、設計事務所として独立した。
水戸市泉町仲通りで、町おこし活動にも精力的に取り組みながら、2017年度に茨城県が開催したビジネスプランコンテストにおいて、DIY×地域コミュニティづくりを行う「建築楽団」として優秀賞を受賞した。
DIYで地域コミュニティーを形成
加藤さんは、この活動を通じて、空き家問題・少子高齢化問題を解決しようとしている。その背景には、自然災害の現場を見続けてきた加藤さんの想いがある。
「コミュニティは世界を救う」という一言につきます。被災地を建築士の視点して見ている中で、自分自身は耐震を重視した設計を行う立場の人間として、無力感を感じました。
もちろん、耐震性の高い良い建物を作ることは大前提として、ただそれよりも有事の際に重要なのは、地域コミュニティだと感じたんです。そう感じた時に、自分は建物をつくる人ではなく、まちやコミュニティを地域と一緒につくる人になりたいと思いました。
空き家問題解決の壁
加藤さんは、実際にプロジェクトに取り組んでみると様々な壁にぶち当たったという。
まず、行政が保有している空き家情報を特定の団体や企業に開示するのが難しいと判断され、最初の情報収集に時間を要した。また、不動産業を起こすにあたり、事務所の条件などで最適な物件を探すのにも二転三転して苦労したという。
そのような準備を進めながら、細かいながらも色々な相談案件を受けながら、少しずつ地域の中にDIY文化とファンをつくり続けている。
法的な問題で、スピード感をもって進み辛いこともありますが、今は小さくても着実に実績を積み重ねています。Before・Afterの目で見える実績が増えていけば、大きな案件のご相談につながります。
今は、地域と一緒にDIYをするために人が集まるという文化をつくりながら、サービスのファンを少しずつ広げていっている段階です。協力してくれる不動産会社も出てきて、少しずつ具体的な案件も見えてきました。
起業家として腹をくくる
既存ビジネスがありながら、自分のミッションを見つけた加藤さん。既にお金を稼いでいる本業と、まだまだ収入が安定していない新規ビジネスの狭間で葛藤しているという。
今、自分が抱えている葛藤は、腹のくくり方です。現実的に稼ぎが必要という中で、依頼が来る既存の仕事にしがみついている自分もいます。今の本業を切って、新規事業に集中できる環境をつくることが、まだできていません。
このなかなか進まない状況を打破するために、今、金融機関とも相談しながら、腹をくくって、もう一歩進む準備をしています。同時に、1人では動きに限界があるため、右腕も募集しています。
地方でチャレンジする
地方でチャレンジする上で、重要なことの1つが、共感してくれるサポーターや仲間集めだ。加藤さんは、様々な町おこし活動やDIYを通じて、それを実感したという。
地域の人々を巻き込む、求心力となりえる「ビジョン」を起業家自身が提示できるかどうかが問われる。
地方での起業には、様々な課題が出てくる。その中で腹をくくり、チャレンジし続けるためにも、明確な「ビジョン」は重要だ。それによって、本当の仲間やサポーターが集まり始めるのだ。
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